水月空華(すいげつくうげ)

「水月」とは水に映った月のことを、「空華」とは空中に咲く花のことを意味しており、どちらも、存在するはずのないものを表しています。

様々な悩みや迷い、不安や悲しみ、苦しみといったものも、全て実体のないものにすぎません。

禅の世界では、こういった実体のないものへのとらわれをなくすことを教えとしており、様々な言葉でこの教えが説かれています。

全ての悩みに実体はありません。悲しみ、苦しみ、不安、これら全ては自分の心が作りだした妄想にすぎません。

その時は、いくら悲しかろうが、苦しかろうが、不安になろうが、時がたてばそれらは次第に薄れていき、消えてなくなります。

悲しみも苦しみも不安も、自分の心がそう感じているだけであり、この世で起こる全ての現象に、悲しさも苦しさも不安も存在しないのです。

なので、人によって、何が悲しくて、何が苦しくて、何が不安なのか、これらの感じ方は様々であり、同一のものではありません。

その人の悲しみはその人の悲しみでしかなく、またその人の苦しみもその人の苦しみでしかありません。

よって他の人の悲しみや苦しみを全てそのまま理解することは不可能なことなのです。

悲しみも苦しみも感じない人は感じませんし、感じる人は感じてしまいます。

悲しみも苦しみも感じれば感じるほど、自分の心を弱らせてしまい、そこから抜け出せなくなってしまいます。

全ては実体のないもの、そんなものにいつまでとらわれている必要はありません。

まずは、その悩みの原因を探りましょう。冷静に考えてみると、そこまで悩む必要のなかったことだった。ということは良くある話です。

悲しみや苦しみを感じている時は、心がそれらにとらわれてしまっているから。このことを分かってさえいれば、何かに悩んでしまったときも冷静になることができ、物事の根本をみることができます。

時には悲しんだり、苦しんだりすることもあると思います。それ自体を悪いこととは言いません。それにいつまでもとらわれてしまうことが、よくないのです。

とらわれはあなたの多くを奪っていきます。時間や元気、物事に対するやる気も奪い、あなたの心を奪っていきます。

逆にとらわれをなくせば、それら全てを失うことはなく、前向きに、穏やかな日常を過ごすことができるでしょう。

「水月空華」悩みが生まれたときは、この言葉を思い出して頂ければと思います。