嫌な出来事があった、腹が立つ出来事があった、そんなことがあった日はその出来事が頭から離れず、モヤモヤとした気持ちが続いてしまい、何をしようとしても中途半端になってしまう。
イライラして仕方がないとき、ちょっと思考を変えるだけで、その気持ちを変えることができるかもしれません。
任運自在(にんうんじざい)
世の中に起こる全ての出来事は自らが運び動いています。
自然の中では春になれば春の花が、夏になれば夏の花が咲き、そこに多くの生き物が集まってくる。
これは全て大自然の計らい事で、人間もこのような大きな流れに身をまかせ生きていく必要があります。
大きな流れに身を任せその巡り合わせ味わう。これがこの禅語の意味するところです。
悩み事の多くは自分で解決できるものがほとんどです。
成績が上がらない、仕事が上手くいかないなど、これらの悩みは自分自身が生み出しているものであり、自分自身で解決できる悩みです。
上手くいっていないから悩みになる、ならば上手くいくようにすればいい。自分が努力して上手くいくようにすればいいだけのことです。もしも努力しているというのであれば、さらに努力すればいい。努力する気すら起きないのであれば、その悩み事態さほど大した悩みではないということ。
お金がない、欲しいものが手にはいらない、楽しいことがない、このような悩みは悩む必要のない悩み。
せっかくの人生を無駄にしてしまいます。その悩みは自分の執着からきているものでありその執着は捨てなければいけません。
お金に対する執着、物に対する執着、楽しい出来事に対する執着。これらの執着は膨れ上がります。お金が入っても、物が手に入っても、楽しい出来事があったとしても、その執着は大きくなり、さらなる欲求を生み出します。
執着を捨てること。それが禅の教えであり、人生を豊かに生きるコツです。
これまでの悩みは全て自分自身が行動を起こせば、捨て去ることのできる悩みです。
しかし、世の中には自分自身の力では解決できない悩みがあります。
それが、病気や災害です。
親や自分が病気になったとき。自身や洪水などの自然災害。これらの悩みは自分の力では決して解決することはできません。
「なんで自分や家族が、なんで自分が住んでいる場所がこんなことになるんだ」とイライラしても、いくら現実を嘆いても、なにも状況が変わらないのであれば、自然に流れにに身を委ねるしかありません。
自分では、人間の力では及ばない見えない力。その力に任せてみることも必要です。
その中で生きる勇気を、前に進む勇気を失わなければ、自然の流れがきっといい方向の物事を運んでくれるでしょう。